【夏の納涼 特別版】湖西の化け地蔵!袈裟切り地蔵!
【#21 湖西紹介 納涼企画其の肆】
袈裟切り地蔵
あなたのお家の周りにお地蔵さまはありますか?
道にあるお地蔵さまにお参りしたことはありますか?
そのお地蔵さまは・・・ちゃんと首がありますか・・・?
今回は、少~し怖い袈裟切り地蔵のご紹介・・・。
お地蔵さまが人を化かす?
今回の伝承はこんなお話です・・。
昔々、あるところに潮見坂と呼ばれる坂があったそうな。
この坂はあの浮世絵師・歌川広重の『東海道五十三次』にも描かれている有名な坂で有名じゃった。
しかし、この道に夜な夜な大入道や一つ目小僧が現れて、そこを通る人を化かして怖がらせているという噂がたってしもうた。
その噂を聞いたお侍が「よし、拙者がその化け物を退治してみせようぞ」と出かけていった。
お侍が近くにある六地蔵の側まできたときじゃった。
その六地蔵のうちの一体が一つ目入道に化け、真っ赤な舌を出しげらげらと大声笑い始めたのじゃった。
お侍が一太刀で切り捨てると、一つ目入道は消えてしまった。
翌日、近くのおばあさんが潮見坂近くのお墓へお参りに行くと、お墓の入口にあった六地蔵のうちの一体が、肩口から胴体へかけて斜めに袈裟切りされておるではないか・・・。
それからというもの妖怪は姿を現さなくなったが、潮見坂の妖怪は六地蔵のうちの一体の仕業だったのかと、この話題でもちきりになり坂の周辺で評判になった。
そして、このお地蔵さまは「袈裟切り地蔵」「笑い地蔵」と呼ばれるようになったそうな・・・。
お地蔵さまが化けた理由・・・?
人々を見守るお地蔵さまが、なぜ妖怪に化けて人々を怖がらせるようなことをしてしたのでしょうか。
その理由はいくつかあるそうですが、津波を逃れてきた複数の墓石が放置されてしまい、荒れ果ててしまったため、どうにかしてほしいという気持ちが現れたというものが一説にあります。
いくら、荒れ果ててしまったお墓を直してほしい気持ちが具現化したとはいえ、妖怪に化けて出たら余計に人が寄り付かなくなってしまいそうな気もしますが・・・w
そもそもお地蔵さまって・・・?
何の気なしにお地蔵さまの、それも袈裟切り地蔵の話をしてきましたが、普通のお地蔵さまの役割や意味とはどのようなものなのでしょうか。
お地蔵さまは、正式には「地蔵菩薩」という仏様の一人です。
地蔵菩薩は、さまざまなものに姿を変え活躍をするを言われていますが、子供を守り、元気に育つようにと祈願されるのが一般的のようです。
墓地などにいるお地蔵さまが赤い帽子やよだれかけのような物を身に着けているのも、これが理由です。
色が赤なのは、「清く」「正しい」「正直」な色と考えられており魔除けとしての意味があるそうです。
奥が袈裟切り地蔵
まとめ
いかがでしたでしょうか?
子供を守り、元気に育つようにと祈願されてきたお地蔵さま。
そんなお地蔵さまも、強い想いを妖怪に具現化させ、人々に想いを伝えることもあるんですね。
もし、道でお地蔵さまを見かけたら、少し立ち止まって手を合わせてお参りしてみるのもいいかもしれません。
お参りし終わって振り返ったら、一つ目入道に化けているかもしれませんよ・・・。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。